『イタリアは不便』と良く日本人旅行者の方に聞きますが、たしかにその通りです。僕もイタリアに住み始めた頃はけっこう戸惑いました。ワインが切れたと夜に気づいたらもう終わり、日曜日にパスタのストックがなかったら、買いに行くべきお店がすべて閉まっているのです。大きい都市はまだなんとかなるでしょう、でも住人2万人のオルヴィエートは、まるで50年前のようなのんびりとした時が流れています。
日曜日はお店が全部、ほんとに全部閉まるのにびっくりしたものです。タバコもワインも買えません。携帯電話のプリペイドが切れても入金する方法がないのです。そんなときに断水になるともう悲惨。。。数年前は良く急な断水がありました。水を買いに行くお店はなく、隣の家に頼みに行ったこともしばしば。
お店は平日でも13時30分から17時までお昼休みをします。スーパーマーケットを含め町中のお店がすべてお休みです。図書館まで閉まります。役所も観光インフォメーションも閉まります。
そんなところに7年も住むとさすがに慣れてきます。
さっきも週に2回開く朝市に行って、いつもの農家のおばちゃんのところでビートの葉とセロリとルッコラを買ってきました。2ユーロ也。帰り道、肉屋に立ち寄ってサルシッチャを4個購入、途中で知り合いと偶然出会って立ち話し近況報告。こんなスローなリズムが自然と身につくようです。
明日は日曜日で町も人も休息の日。急がずにのんびり行こうじゃないか。ゆっくり進むことも意外と難しいことを、このオルヴィエートに住んで気がつきました。ハイ。
【2011年4月23日 堂 剛 - Tsuyoshi Doh】(
オルヴィエート)