
先日、日本から来た知人と南イタリアの島を旅行するため、船の出るナポリに向かった時のことです。ナポリのお気に入りの食堂(
ここ)でランチを楽しんだ後、タクシーを一台拾いました。イタリアでは一般的に流しのタクシーはなく、タクシー乗り場から乗車するのが普通ですが、ここナポリはタクシーの空車も多く、けっこう気軽に道端でタクシーを捕まえることができます。2分ほど探していると、1台のタクシーが僕たちの前に停まりました。
「タクシー探しているのか?今日は特別に乗せてやるよ。」
「特別?」
と訝りながらも、渡りに船とばかりにそのタクシーに乗車しました。もちろん正規のタクシーです。でもトランクは開けてくれず、キャリーバッグは後部座席に置かれ、僕は助手席に乗せられます。そしてシートベルトを付けようとすると、
「シートベルトなんてするなよ。ほら周りの車を見てみろ、ナポリではベルトをしないのが当たり前なんだよ・・・」
いくらいい加減なイタリアでも、シートベルトの着用を拒否されたのは初めてです。
よくよく話しを聞いてみると、その日は非番の日なんだとか。
「ナポリにはタクシーが200台あって、土曜日と日曜日は100台ずつが交互に営業することになっているんだ」
「今日は土曜日でタクシー少ないから見つけるの大変だったろう。俺は今日非番だから特別に乗せてあげたけど、本当は客乗せるのダメなんだよ」
そういうことか。
彼はさっさと乗せて、さっさと降りて欲しいのだ。シートベルトなんて堅苦しいものをしていたら目立つし、降りるときに時間もかかるだろう。荷物をトランクに入れなかったのにも合点がいく・・・。
案の定、港が近くなると
「料金は15ユーロだからな、お釣りないように用意してくれよ」と言われ、
「その道をまっすぐ行くと港だから、ここから歩いていけば大丈夫だから」
と100メートル手前で降ろされました。
港の中には商売仲間や警察も多いだろうし、乗り付けるのは難しいのだろう・・・
久しぶりにナポリらしい運転手さんに遭遇して苦笑い。お陰で一本早い船に乗り込むことができて、順調に?旅がスタートしたのです。ハイ。
追記:
最近はナポリのタクシーも真面目で、ほとんどが法定料金で運転してくれますが、ごくまれにメーター付いていないタクシーもみかけます。タクシー内には市が決めた料金表もあるのでそれで確認するのが無難ですよ。
【2013年9月18日 堂 剛 - Tsuyoshi Doh】