僕はオルヴィエート(orvieto)という、ローマとフィレンツェの間に位置する小さな町に住んでます。すごく美しくて、のどかで、ぜひ皆さんにも一度足を運んでいただきたいのですが、不便な面も多々あります。
それは列車があまりない事。インテルチティー(IC 特急列車)が止まるのでまだ結構便利な方だとは思いますが。。。
イタリアの列車はあまり停車駅のアナウンス(アンウンチョ annuncio)をしません。「次は〜、オルテ、オルテ」なんてアナウンスがほとんどないんです。
小さい町で難しいのが列車を降りるタイミング。なにせ隣の町と一切風景が変わらないんだから。小高い丘にオリーブ畑とぶどう畑が並んでいるだけ。駅だってほとんど瓜二つ。
駅名の書いた看板(タルガ targa)を探すしかないんですが、それがまた、いい具合に木陰に隠れているんです。
イタリアに住み始めたころは、よく乗り過ごしました。ハッと気づくと隣の駅なんです。「マンマミーア!!!」
一度、最終列車でローマから帰るときのこと、なんと乗り過ごしてしまったんです。だって夜12時近くで明かりなんて、ひとつもなし。目印も見つからず。スリーナインが宇宙を疾走しているのと同じです。
「や、やばい;」さっそく、次の駅でおりましたが、そこはさらに小さな村。真っ暗闇。ホテルなし。人だって住んでるのか、ってな雰囲気。この時間では戻りの列車もないはず。。。
でも、なんと、奇跡的なことに、駅員さんがまだいたのです。「オー、グラツィア・ディ・ディオ(grazia di Dio 神の恵み)」、おそるおそる「乗り過ごしてしまったんですけど。。。」って尋ねてみると、
なんと2度目のミラーコロ(miracolo 奇跡)が!!!「ローマ行きの列車が遅延してて、10分後に到着するよ」・・・
「オー、神様ありがとう」。列車の遅延がこんなに嬉しかった事はありません。僕は満面の笑みで戻り列車に乗り込んだのです。
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